2016年の電力自由化以降、消費者は電力会社を自由に選択できるようになりました。
しかし、近年では新電力会社の経営破綻が相次いでおり、消費者の間に不安が広がりつつあります。
新電力会社は大手電力会社よりも電気代を抑えやすい点が魅力ですが、倒産リスクがあるのも事実です。
「契約している新電力会社が倒産したらどうしよう」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、新電力会社の倒産が急増している理由と、新電力会社が倒産した場合に生じる電力供給への影響について解説します。
新電力会社の倒産が急増している背景を知りたい方や、倒産によりどのような影響があるか気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
新電力会社が倒産・事業撤退した件数は?

新電力会社が「倒産」「廃業」「事業撤退」した数は、2024年3月時点で706社中119社です。
2022年3月のデータと比較すると、倒産や事業撤退の件数は約7倍に増えており、年々増加傾向にあることがわかります。
一方で、「新規契約停止」の件数は累計で69社です。新規契約停止に至った69社のうち、47社が「再開」しています。
契約中の会社が倒産した場合、電力供給が止まることはないものの、速やかに新たな電力会社への切り替えが必要です。
また、未払い料金や預託金の扱いなど、さまざまな問題に直面する可能性もあるため、消費者は自身の電力契約について、これまで以上に慎重な判断を求められています。
新電力会社が倒産・事業撤退した理由

近年、新電力会社の倒産や事業撤退が相次いでいます。
考えられる主な理由は次の3つです。
- 市場価格の高騰
- 燃料価格の値上がり
- ビジネスモデルの破綻
ここからは、新電力会社が倒産したり事業撤退したりする理由について解説します。
市場価格の高騰
新電力会社の倒産や事業撤退が増えている理由の一つに、電力市場価格の高騰があります。
市場価格が高騰する要因は、電力需要の増加や燃料価格の値上がり、円安の影響などさまざまです。
新電力会社の多くは、電力市場の安い価格を前提としたビジネスモデルを採用していました。
しかし、市場価格が高騰すると、電力調達コストが大幅に増加するため、資金面に余裕がない新電力会社の経営は圧迫されます。
電力調達コストの負担に耐えきれず経営が行き詰まり、一部の新電力会社は倒産や事業撤退に追い込まれました。
燃料価格の値上がり
日本の電源構成の大半を占めているのは、火力発電です。
火力発電に必要な天然ガスや石炭、原油などは、国際情勢の急変や需要の増加、円安などにより値上がりしています。
日本はエネルギーを海外から輸入する必要があるため、燃料の調達コスト上昇による影響を受けやすいことが特徴です。
とくに財務基盤の弱い中小の新電力会社は燃料価格の高騰に耐えきれず、経営が行き詰まるケースがあります。
EIA(米国エネルギー省エネルギー情報局)の長期予測では、天然ガスと石炭は2050年まで値上がりが続くとされています。
ビジネスモデルの破綻
新電力会社は、電力自由化により参入した小売電気事業者です。
これまで地域を独占していた大手電力会社とは異なり、多様な料金プランやサービスの提供により顧客を獲得してきました。
新電力会社のビジネスモデルは、卸電力市場の安定した価格を前提としたものが一般的です。
しかし、近年は燃料価格の高騰や需給バランスの崩壊により、電力の市場価格が急激に高騰し続けています。
市場価格の変動リスクを十分に考慮していない新電力会社は、市場価格の高騰で電力調達コストが急増し、経営が圧迫されました。
新電力会社が倒産・新規受付停止した主なケース

ここからは、新電力会社が倒産や新規受付を停止した事例を紹介します。
スマートテック
スマートテックは、2024年2月に関連会社である水戸電力とともに民事再生法の適用を申請しました。
民事再生法とは、経営状態が悪化している企業が現状を改善し、業績を回復させるためにおこなう法的整理のことです。
スマートテックは、太陽光発電システム販売のほか、高圧電力も販売していました。
しかし、電力市場価格の高騰による電力調達コストの負担増加や、太陽光発電システムや蓄電池の販売低迷などにより、経営状況が悪化したようです。
民事再生法の適用申請後も事業を継続しており、現在は経営の立て直しとスポンサー探しに注力して再建を目指しています。
ホープエナジー
ホープエナジーは、2022年3月22日に破産申し立ての決議を発表しました。
ホープエナジーは、2020年10月に設立され、2021年12月に親会社のホープから電力小売事業を承継した会社です。
会社分割から約3か月で倒産に至った主な原因として、電力市場価格の高騰による電力調達コストの大幅な増加が挙げられます。
また、電力市場価格高騰の影響で高額なインバランス料金が生じ、赤字を余儀なくされたことも原因の一つです。
インバランス料金とは、自社の電気の需要と供給のバランスが崩れた場合に、代わりに差分を調整した一般送配電事業者に対して、ペナルティとして支払う料金を指します。
合計65億円(税込)ものインバランス料金が不足したことで、赤字がさらに拡大したようです。
ウエスト電力
ウエストホールディングス運営のウエスト電力は、2022年3月に事業廃止を発表しています。
ウエスト電力は、2016年の電力自由化による電力小売市場への参入後、安定した経営を続けていました。
しかし、国際情勢による電力市場価格の高騰が主な原因で、安定的な電力供給が困難な状況となり、電力小売事業の廃止に追い込まれています。
現在はウエストグループとして、再生可能エネルギー事業に注力しているようです。
新電力会社が倒産・事業撤退したらどうなる?

新電力会社が倒産したり事業を撤退したりした際に、消費者が最も気になるのは「電気が止まるのではないか」という疑問ではないでしょうか。
結論からいうと、すぐに電気が止まることはありません。
ここからは、新電力会社の倒産後の影響や動きについて解説します。
すぐに電力供給が止まるわけではない
新電力会社の倒産や事業撤退のニュースを聞くと、多くの方が「契約している新電力会社が倒産して電気が止まったらどうしよう」と不安になる方がいるかもしれません。
しかし、新電力会社が倒産や事業を撤退した場合でも、すぐに電気が止まることはありません。
経済産業省は、新電力会社を含む小売電気事業者に対し、事業休廃止時は契約者への事前通知を義務付けています。
倒産や事業撤退の通知後、新しい電力会社がすぐに見つからない場合は、最終保障供給として一般電気事業者から一時的な電気供給を受けられます。
最終保障供給とは、一時的なセーフティーネットとして、すべての消費者、企業が電気の供給を受けられることを担保する制度です。
東京電力や関西電力など、地域の一般電気事業者には電気の供給義務があるため、消費者は安心して電気を使い続けられます。
ただし、最終保障供給は一時的なセーフティーネットとして位置付けられている分、通常の料金プランよりも電気料金が割高になる傾向にあります。
また、最終保障供給の契約期間は原則として1年以内であり、何年も契約を続けられるわけではない点にも注意が必要です。
新しい電力会社との契約が必要になる
新電力会社が倒産や事業を撤退した場合、契約していた電力会社との契約は解除されます。
そのため、別の電力会社と新たに契約を結ばなくてはなりません。
通常であれば、契約解除の通知は、倒産や事業撤退の発表から数日以内に届きます。通知には、契約解除日や新たな電力会社との契約に関する情報などが記載されています。
契約解除日までに新たな電力会社と契約を結ばない場合でも、地域の電力会社から「最終保障供給」として電気供給が受けられるため、すぐに電気が止まることはありません。
しかし、最終保障供給は一時的な措置であり、電気供給を受けられる期間には限りがあるため、なるべく早く電力会社の切り替えに向けた準備を進めることが大切です。
新電力会社から契約解除の通知が届いたら、すぐに次の電力会社へ切り替えるための申し込み手続きを進めましょう。
切り替え先として挙げられるのは、別の新電力会社または地域の大手電力会社のいずれかです。
インターネット上の比較サイトや口コミサイトなどを活用し、十分な情報収集をしたうえで信頼できる電力会社を選びましょう。
新電力会社の倒産が気になる方には「市場電力」がおすすめ
新電力会社の倒産が相次ぐ中で、電力の安定供給や価格変動に不安を感じる方も多いでしょう。
そのような方には、株式会社Qvouが運営する「市場電力」がおすすめです。
ここからは、市場電力の特徴や料金プランに加えて、おすすめする理由について詳しく解説します。
運営企業の満足度・信頼度が高い
新電力会社の倒産が相次ぐ中、電力会社の信頼性は重要な選択基準となります。
株式会社Qvouが運営する「市場電力」は、信頼性や満足度においても高い評価を得ている新電力サービスです。
また、電力事業のみでなく、エネルギーに関する幅広い事業を展開しており、長年の実績と専門知識を有しています。
電力市場の動向やリスクを的確に把握し、安定した電力供給を実現していることが特徴です。
さらに、顧客満足度を重視し、透明性の高い情報提供や丁寧なサポート体制を整えている点も、多くの顧客から信頼を得ている理由といえます。
信頼性や満足度を重視して電力会社を選びたい方には、市場電力が有力な選択肢となるでしょう。
業界最安値のサービス料・最短5分で手続き完了
電力会社の料金プランは、基本料金と電力量料金に加えて、サービス料が上乗せされていることが一般的です。
しかし「市場電力」であれば、サービス料が低い水準で設定されているため、電気料金全体の削減につながる可能性があります。
毎月の負担を少しでも減らしたい方には、市場電力が適しているでしょう。
また市場電力への切り替え手続きは、スマートフォンから最短5分で完了します。
現在契約中の電力会社への連絡、切り替え工事、電気機器交換の手間も原則としてかからないため、忙しい方でも気軽に申し込みが可能です。
市場連動型プランの注意点
市場電力は、「市場連動型」の料金体系を採用しています。
市場連動型は、電気使用量の単価が市場価格に応じて変動するため、電気の使い方を工夫すれば毎月の電気代を節約できることが特徴です。
ただし、電気の使用量が多い時間帯は市場価格が高くなる傾向にあります。
そのため、ライフスタイルにより電気料金が高くなる可能性がある点に注意が必要です。
また、市場価格の変動を常に把握し、電気の使用量を調整する必要がある分、手間がかかる点も考慮しなくてはなりません。
市場連動型は、電気の使い方を工夫できる方や積極的に節電に取り組みたい方に向いているでしょう。
新電力会社の倒産リスクを回避する方法

新電力会社には倒産や事業撤退などのリスクがある一方で、毎月の電気代を削減しやすいメリットもあります。
新電力会社との契約を継続しつつ、電力供給の停止リスクを抑えるためには、太陽光発電や蓄電池の導入が効果的です。
ここからは、太陽光発電や蓄電池の導入により、新電力会社の倒産リスクを回避できる理由について解説します。
太陽光発電を設置する
新電力会社の倒産リスクを回避する手段の一つとして、太陽光発電システムの設置が挙げられます。
太陽光発電を導入すれば、電力会社に依存しない電力供給体制を構築でき、電力会社が倒産しても影響が少なく済みます。
太陽光発電のメリットは、主に次のとおりです。
- 電気代の削減
- 売電収入
- 停電対策
太陽光で発電した電力を自家消費すれば、電力会社からの電気購入量を減らせるため、電気代の削減につながります。
また、余った電力を電力会社に売ることで収入を得られたり、停電時に一定量の電力を確保できたりするなど、さまざまなメリットがあります。
蓄電池を導入する
新電力会社の倒産リスクに備えて太陽光発電を導入する場合は、蓄電池の併用も検討しましょう。
太陽光発電のみでは電気を貯めておけないため、売電できなければ余った電力は損失します。
一方、太陽光発電システムと蓄電池を連携し、昼間に太陽光発電で発電した電力を蓄電池に貯めておけば、発電が難しい夜間や悪天候時でも自家消費が可能です。
また、停電時に蓄電池の電力を活用すれば、太陽光発電単体よりも電化製品を長時間使用できます。
新電力会社の倒産に関するよくある質問

最後に、新電力会社の倒産に関するよくある質問を3つ紹介します。
新電力会社の倒産や事業撤退について疑問がある方や、電力自由化について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
電力自由化とは?
電力自由化とは、これまで地域の大手電力会社が独占していた電気事業へさまざまな企業が参入できるようになった制度改革のことです。
2016年4月にスタートして以降、すべての消費者が電力会社や料金メニューを自由に選べるようになりました。
電力自由化の主な目的は、電力会社同士の競争促進による電気代の引き下げやサービスの多様化、再生可能エネルギーの普及などです。
新電力会社の中で赤字が出ている企業の割合は?
新電力会社の中で赤字が出ている企業の割合は46.6%です。
前期の51.6%と比較すると改善傾向にあるものの、新電力会社のうち半数近くが赤字に追い込まれている状況に変わりはありません。
大手電力会社も潰れる可能性がある?
大手電力会社は、安定した経営基盤と国の規制による保護、社会的責任などの理由から、新電力会社よりも倒産リスクは低いでしょう。
しかし、経済状況や市場の変化により、大手電力会社でも倒産する可能性はあります。
近年では、燃料価格の高騰や電力市場の変動など、大手電力会社を取り巻く経営環境の厳しさは増している状況です。
大手電力会社は常に経営状況を注視し、リスク管理を徹底しています。
まとめ

本記事では、新電力会社の倒産が急増している理由に加え、倒産した場合の電力供給への影響について解説しました。
近年、電気代高騰や燃料価格変動などのさまざまな要因が複雑に絡み合い、新電力会社の倒産や事業撤退が相次いでいます。
倒産しても電力供給はすぐには止まらないものの、電力会社の切り替えに向けて準備を進めなくてはなりません。
一方、新電力会社には倒産や事業撤退などのリスクがある一方で、毎月の電気代を削減しやすいメリットもあります。
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自身のライフスタイルや電気の使用状況にあわせて、市場電力への切り替えを検討してみてください。