電気代の節約を考える際、深夜料金プランは有効な選択肢の一つです。
しかし、「具体的に何時から安くなるのか」「自身の家庭でも本当にお得になるのか」などの疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
結論から述べると、深夜料金プランはライフスタイルが合えば電気代を削減できますが、昼間の料金が割高になる点には注意が必要です。
本記事では、深夜電気料金の基本的な仕組みやメリット、デメリットなどを踏まえ、今後の最適な節約方法を具体的に解説します。
電気代を見直したい方、新しい電力プランを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
【結論】深夜料金プランは特定の時間帯の電気代が安くなる仕組み

電力会社と契約するにあたって、深夜料金プランを選択することで、深夜から早朝にかけての電気代が安くなります。
深夜料金プランをうまく活用できれば、毎月の電気代を大幅に削減できる可能性があるため、とくに夜間に電気を利用する家庭に人気です。
ここでは、深夜料金プランに関する基本的な知識として、次の3つのポイントを解説します。
- 深夜料金プランの基本的な仕組み
- 具体的に何時から何時までが安いのか
- 深夜料金プランが安くなる理由
深夜料金プランがどのような仕組みで成り立っているのかを知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
深夜料金プランの基本的な仕組み
毎月の電気料金の内訳
基本料金
契約ごとに固定
+
電力量料金
使った分だけ
+
燃料費調整額
+
再エネ賦課金
深夜料金プランとは、電気を利用する方が少ない夜間時間帯の電気料金単価を割安に設定し、代わりに多くの方が電気を利用する昼間の料金単価を割高に設定している料金体系です。
毎月の電気料金は、契約アンペアによって決まる基本料金と、電気の使用量に応じて計算される電力量料金から構成されます。
深夜料金プランでは、電力量料金の単価が時間帯によって変動する仕組みです。
実際の請求額には、上記に加えて燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金などが加算されます。
時間帯によって料金単価が変わる点が、一般的な料金プランとの大きな違いといえるでしょう。
【電力会社別】深夜料金が適用される時間帯の目安
電気代が安くなる深夜時間帯は、電力会社や契約する料金プランによって異なります。
一般的には、多くの方が電気を使用しない午後10時〜翌朝午前8時頃までを夜間時間帯として設定しているケースが見られます。
主な電力会社の夜間時間帯の例
電力会社 | プラン名 | 夜間時間帯の目安 |
---|---|---|
東京電力 | 夜トク8 | 午後11時〜翌午前7時 |
関西電力 | eスマート10 | 午後10時〜翌午前8時 |
中部電力 | スマートライフプラン | 午後10時〜翌午前8時 |
このように、電力会社によって深夜料金が適用される時間帯が異なるため、申し込む前にしっかりとチェックしておきましょう。
深夜電気料金が安価に設定されている理由
深夜の電気料金が安価に設定されている主な理由は、1日を通して電力の供給を分散させるためです。
一般的に、夜間は工場やオフィスなどが稼働を停止するため、電気の需要、つまり使用量が大幅に減少します。
一方、大規模な発電所は、出力を頻繁に変えるよりも、一定の発電量を維持し続ける方が効率的です。
そこで電力会社は、電力供給が需要を上回りがちな夜間時間帯の電気料金を安く設定し、利用を促しています。
上記の仕組みにより、電力供給の安定と夜間電力の低価格化が実現されています。
深夜料金プランで電気代を節約する2つのメリット

深夜料金プランは、すべての家庭でお得になるとは限りません。
しかし、家庭のライフスタイルが合致する場合や、夜間に電力を多く使用するオール電化住宅にお住まいの場合、電気代を大幅に節約できる可能性があります。
それぞれの内容について、具体的に解説します。
ライフスタイルに合えば電気代を大幅に削減できる
夜型の生活を送っている方や、電気を使用する時間を夜間にシフトできる家庭では、深夜料金プランのメリットを最大限に活用できます。
たとえば、日中は仕事や学校などで外出が多く、帰宅後の夜間に家事をまとめておこなうような方には適しているでしょう。
食器洗い乾燥機や洗濯乾燥機、スマートフォンの充電などを、タイマー機能を活用して電気代が安い深夜時間帯におこなうことで、毎月の電気代を効率的に削減することが可能です。
電気の使い方を少し工夫するのみでも、年間を通じて大きな節約効果が期待できる点が魅力です。
【コラム】洗濯乾燥機の利用で年間いくら節約できる?
具体的にどの程度お得になるのか、洗濯乾燥機を例に簡単なシミュレーションをします。
シミュレーションの条件
- 消費電力:2kWh(1回の乾燥にかかる電力)
- 利用頻度:毎日1回
- 料金単価:昼間 35円/kWh、夜間 25円/kWh と仮定
計算結果
- 昼間に利用した場合の電気代(1回):
- 35円 × 2kWh = 70円
- 夜間に利用した場合の電気代(1回):
- 25円 × 2kWh = 50円
この場合、1回の利用で20円の差額が生まれます。
毎日利用すると、1か月(30日)で600円、1年間では7,200円もの電気代を節約できる計算になります。
上記はあくまで一例ですが、電気を使用する時間を変えるのみでも節約が見込めるのは、大きなメリットといえるでしょう。

オール電化住宅やエコキュートと相性がよい
オール電化住宅に導入されている多くの設備は、深夜電力の活用を前提に設計されているため、深夜料金プランと非常に相性がよいとされています。
代表的な設備が、お湯を沸かす給湯器のエコキュートです。
エコキュートは、電気代が安い夜間にお湯を沸かしてタンクに貯めておき、日中に使用する仕組みです。
他にも、夜間に熱を蓄えて日中に放熱する蓄熱式床暖房もあります。
上記の設備を導入している家庭では、深夜料金プランの恩恵を十分に受けられるでしょう。
契約前に知るべき3つの注意点・デメリット

ライフスタイルに合えば電気代の節約につなぐ深夜料金プランですが、契約前には知っておくべき注意点やデメリットも存在します。
とくに重要な3つの注意点は次のとおりです。
- 昼間の電気代が割高になるリスクがある
- ライフスタイルの変化に対応しにくい
- 誰でも契約できるわけではない
それぞれの注意点について、詳しく解説します。
昼間の電気代が割高になるリスクがある
深夜料金プランにおける最大の注意点は、深夜の電気代が安い分、昼間の電気代が標準的なプランよりも割高に設定されていることです。
そのため、在宅勤務や小さなお子様がいる家庭など、日中の在宅時間が長く、電気使用量が多い場合には注意が必要です。
電気を使用する時間を意識せずに日中もこれまで通り電気を使用し続けると、かえって電気代の総額が高くなってしまうリスクがあります。
自身の生活における電気の使用パターンを事前に把握しておくことが重要です。
ライフスタイルの変化に対応しにくい
一度深夜料金プランを契約すると、その後のライフスタイルの変化に対応しにくくなる可能性があります。
たとえば、転職によって日中在宅の仕事に変わったり、家族構成が変わって昼間の電気使用量が増えたりした場合、深夜料金プランが自身の生活に合わなくなることが考えられます。
電力会社や契約内容によっては、一度契約すると短期間で他のプランに変更することが難しい場合もあるでしょう。
長期的な視点で、自身のライフスタイルに変動がないかどうかも考慮しておくと安心です。
誰でも契約できるわけではない
深夜料金プランは、希望すれば誰でも契約できるわけではありません。
多くの場合、契約の条件として、時間帯ごとの電気使用量を正確に計測できるスマートメーターの設置が必須です。
スマートメーターが未設置の場合は、設置工事が必要になることがあります。
原則として本体の購入費用や設置費用はかかりませんが、賃貸の場合は管理会社に設置の際に確認が必要になる場合があるため、注意しておきましょう。
【注意】従来の深夜料金プランは新規受付を終了している

「深夜料金プランが廃止される」という話を聞いて、不安に感じている方もいるでしょう。
この情報の背景には、電力業界の大きな変化があります。
多くの大手電力会社では、従来の深夜料金プランの新規受付が終了しており、新しく夜間割引が登場しています。
深夜料金プランの現状について、次の3つのポイントから詳しく解説します。
- 一部の深夜料金プランは新規受付を終了している
- 一部のプランが新規受付を終了している理由
- 現在も申込可能な夜間割引プランがある
正確な情報を理解し、今後の電力プラン選びに役立ててください。
一部の深夜料金プランは新規受付を終了している
「深夜料金プランが廃止された」といわれる情報の多くは、正確には「一部の旧プランで新規申し込みが終了した」という状況を指しています。
実際、東京電力や関西電力などでは、従来型の深夜料金プランの新規受付をすでに停止しています。
ただし、上記はあくまで特定の旧プランの新規受付が終了したことを指しており、現在でも夜間に電気代が安くなるプランは複数存在します。
また、以前から深夜料金プランを契約している方は、引き続き深夜料金プランを利用することが可能です。
一部のプランが新規受付を終了している理由
大手電力会社が一部の深夜料金プランの新規受付を終了した背景には、電力供給構造の変化があります。
近年は太陽光発電の普及により、日中の電力供給量が増え、電気代が昼間の方が安くなるケースも増えています。
その結果、かつての「夜が安く、昼が高い」というシンプルなモデルでは現実に合わないことも増え、旧プランの新規受付が停止されるケースが出てきました。
現在も申込可能な夜間割引プランがある
多くの大手電力会社では、従来の深夜料金プランの新規受付が停止されていますが、新たに夜間割引プランが登場しています。
たとえば、関西電力では「eスマート10」、東京電力では「夜トク8」などの時間帯別料金プランに申し込みが可能です。
上記のプランは、電力使用量に応じて時間帯別の料金が設定されており、夜間に電力を多く使用する家庭に適したプランとして継続されています。
夜間の電気使用量が多い方や、オール電化住宅にお住まいの方は、夜間割引プランを提供している電力会社を探してみましょう。
電気代を節約するためには「安い時間帯の見極め」がポイント

大手電力会社の一部では、旧来の深夜料金プランの新規受付を終了していますが、現在も夜間料金のあるプランは提供されています。
また、新電力を中心に、市場価格に応じた電気料金プランなど多様な選択肢も広がってきています。
電気代を節約するポイントとなる、次の3つの考え方を紹介します。
- 「深夜=安い」という従来のイメージにとらわれない
- 電気の市場価格がどう決まっているかを知る
- 生活リズムに合う形で電力使用を調整していく
ここからは、賢く電気代を節約するための新しいアプローチについて解説します。
「深夜=安い」という従来のイメージにとらわれない
これまで夜は電気代が安いとの認識が一般的でしたが、太陽光発電の普及により昼間の供給が増え、電気が安くなる時間帯にも変化が出てきています。
そのため、従来型の時間帯別料金プランのみならず、実際に電気が安くなるタイミングを見極めて使用することが重要になりつつあります。
たとえば、晴れた日中には市場価格が夜間よりも安くなるケースも珍しくありません。
このような背景から、時間帯に応じて電気を賢く使用するという視点がこれまで以上に求められています。
電気の市場価格がどう決まっているかを知る
電力の価格が決まる仕組み(イメージ)
【夜間】
需要 ↓ / 供給 ↑
価格が下がる
価格が上がる
【昼間】
需要 ↑ / 供給 ↓
※これは従来の深夜料金プランの考え方に基づくイメージです。
電気の価格は、JEPX(日本卸電力取引所)と呼ばれる電力の市場で30分ごとに取引され、需要と供給のバランスで価格が決まります。
電力の需要が高まれば価格は上がり、需要が低く供給が多ければ価格は下がる仕組みです。
価格は、季節や天候、時間帯などさまざまな要因で常に変わります。
電気は一定価格ではなく変動するものという仕組みを理解することで、自身にとって最適なプラン選びや使い方の工夫がしやすくなります。
生活リズムに合う形で電力使用を調整していく
卸電力市場の価格変動イメージ(ある1日の例)
※太陽光発電が多い日は昼間の価格が下がり、夕方に需要が高まると価格が上がる傾向があります。
本当に電気代が安い時間帯を狙って電気を使用するためには、市場価格にあわせて電気を使用する時間を柔軟に変えるタイムシフトという考え方が有効です。
たとえば、「市場価格が安い時間帯に洗濯乾燥機を回そう」「今日は価格が高いからエアコンの使用を控えよう」などのように、電力の利用を自身の判断で最適化していくアプローチです。
このような能動的な節約方法は、決まった時間にのみ安くなる深夜料金プランとは異なり、自身のライフスタイルを大きく変えることなく、より効果的に電気代を削減できる可能性があります。
安い時間帯を狙うなら市場価格に連動する「市場電力」が最適!
これからの新しい電気代節約術として、本当に安い時間帯を狙うタイムシフトの考え方を紹介しました。
タイムシフトの考え方を実践するうえで、とくにおすすめの新電力サービスが市場連動型プランの「市場電力」です。
なぜ市場電力が最適なのか、その理由を次の4つのポイントから詳しく解説します。
- 市場電力の仕組みと圧倒的な価格競争力
- サービス料を抑えてお得な料金を実現
- 季節や時間帯によって大幅に電気代を節約できる可能性がある
- 申し込みは簡単3ステップで完了
電気の使い方を工夫して節約することに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
市場電力の仕組みと圧倒的な価格競争力
市場電力は、JEPX(日本卸電力取引所)の取引価格に料金単価が連動する市場連動型プランです。
市場連動型プランの最大の魅力は、市場価格が安い時間帯を狙って電気を使用することで、電気代を大幅に削減できる可能性がある点です。
たとえば、電力供給が需要を上回る時間帯には、料金項目の中の電源料金が0.01円/kWhという、きわめて低い価格で電気を利用できることがあります。
電気を使用する時間を少し工夫するのみで、これまでの料金プランでは実現できなかったレベルでの電気代節約が期待できます。
サービス料を抑えてお得な料金を実現
市場連動型プランはいくつかの電力会社から提供されていますが、その中でも市場電力はとくにおすすめです。
その理由は、代表的な市場連動型プランであるLooopでんきと全く同じ仕組みを採用していながら、よりお得な料金設定となっているためです。
市場電力は、サービス料などのコストを抑えることで、利用者がよりメリットを感じやすい価格を実現しています。
広く知られているプランと同じ仕組みでもっとお得になる点は、数ある新電力の中からサービスを選ぶうえで、非常にわかりやすく安心できるメリットといえるでしょう。
季節や時間帯によって大幅に電気代を節約できる可能性がある
「電気を使用する時間を工夫して、積極的に電気代を節約したい」と考えており主体的に行動したい方にとって、市場電力は最適なプランです。
もちろん、市場連動型プランには、電力需要が高まる夏や冬に市場価格が高騰し、電気代が高くなるリスクもあります。
しかし、電力需要が落ち着く春や秋には、従来のプランよりも大幅に電気代を削減できる可能性があります。
メリットとリスクを理解したうえで、合理的に電気を使用したいと考える方にとってはぴったりの選択肢といえるでしょう。
申し込みは簡単3ステップで完了
市場電力への申し込みは、スマートフォンやパソコンから最短5分で完了します。
現在契約中の電力会社への解約連絡も不要で、切り替えに伴う工事や費用も原則として発生しません。
手続きが面倒そうと感じて電力会社の乗り換えをためらっていた方でも、安心して申し込むことができます。
まずは公式サイトにアクセスし、どれくらいお得になる可能性があるのか確認してみてください。
深夜電気料金に関するよくある質問

ここまで、深夜電気料金の仕組みから、これからの新しい電気代節約術までを解説してきました。
最後に、電力会社の切り替えに関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式で回答します。
契約の切り替えに費用はかかりますか
電力会社の切り替え自体に、工事費や手数料などの費用は原則としてかかりません。
ただし、注意点として、現在契約している電力会社の料金プランによっては、契約期間内に解約すると解約金や違約金が発生する場合があります。
切り替えを検討する際には、現在のご契約内容を事前に確認しておくと、より安心して手続きを進められます。
賃貸住宅でも切り替えは可能ですか
賃貸マンションやアパートにお住まいの場合でも、電力会社の切り替えは可能です。
ただし、切り替えができるのは、電力会社との契約名義が自身になっている場合に限られます。
毎月の検針票や請求書が、電力会社から直接自身の名前で届いていれば、自由に電力会社を選択できます。
一方、建物全体で電力会社と一括契約している高圧一括受電契約のマンションなどの場合は、個人での切り替えはできません。
契約内容が不明な場合は、建物の管理会社や管理人に確認してみてください。
もし市場電力が倒産したら電気は止まりますか
万が一、契約した新電力会社が事業撤退や倒産などの事態に陥ったとしても、家庭の電気がすぐに止まってしまうことはありません。
日本では、利用者を保護するためのセーフティーネットとして、最終保障供給という仕組みが国によって定められています。
電気の供給が停止した場合は、お住まいのエリアの旧一般電気事業者、たとえば東京電力や関西電力が一時的に電気の供給を肩代わりすることになります。
また、市場電力を運営する株式会社Qvouは、2025年時点で創業40年を迎える実績ある企業です。
この点も、安心して契約できる一つの要素といえるでしょう。

まとめ

本記事では、深夜電気料金の仕組みとメリット・デメリット、今後の電力プランの選び方について解説しました。
深夜料金プランは、夜間の電気代が安くなる一方で昼間は割高になるため、自身のライフスタイルにあうかどうかの見極めが重要です。
しかし、太陽光発電の普及により、今後は深夜や夜間など固定された時間帯にこだわらず、本当に価格が安い時間帯を狙って電気を使用することが節約の鍵となります。
そのための有効な選択肢が、市場価格に連動する市場電力です。
自身の電気の使い方をあらためて見直し、これからの時代に合った電力プランとして、ぜひ検討してみてください。
<参考>
市場電力