寝る時エアコンつけっぱなしは損？夏・冬の電気代や節約術を解説

寝苦しい夏の夜や寒さが厳しい冬の就寝時、エアコンをつけっぱなしにしたいものの、電気代が気になる方は多いでしょう。

一方、つけっぱなしの方がかえって電気代が安いという説も耳にする話です。

結論として、多くの場合、寝る時のエアコンはつけっぱなしの方が電気代を抑えられ、快適な睡眠にもつながります。

本記事では、つけっぱなし運転が経済的である理由から、夏と冬それぞれの賢い使い方、さらに効果的な節約術までを詳しく解説します。

電気代への不安を解消し、快適な睡眠を手に入れたい方はぜひ参考にしてください。

【結論】寝る時のエアコンは「つけっぱなし」が電気代も安く快眠につながる

寝苦しい夏の夜や、底冷えする冬の就寝時、エアコンをつけっぱなしにすると電気代が心配と感じる方は多いでしょう。

しかし、実は多くの場合、エアコンはつけっぱなしで運転する方が、電気代を抑えつつ快適な睡眠環境を整えることにつながります。

なぜなら、エアコンの消費電力は、部屋の温度を設定温度に近づける起動時に最も大きくなるからです。

ここでは、つけっぱなし運転が経済的である理由や、反対にタイマー設定が有効なケース、そして睡眠の質に与えるよい影響について詳しく解説します。

つけっぱなし運転が電気代を抑えられる仕組み

エアコンの電気代は、常に一定にかかっているわけではありません。

最も多くの電力を消費するのは、室内の温度を大きく変化させる起動時です。

たとえば、暑い部屋を急激に冷やす際には、エアコンはフルパワーで運転するため、多くの電気が必要となります。

しかし、一度設定温度に達すれば、その後はその温度を維持するだけの安定した運転に切り替わり、消費電力はごくわずかで済みます。

そのため、夜間に何度も電源のオンオフを繰り返すと、そのたびにフルパワーでの運転が必要となり、結果としてつけっぱなしよりも多くの電気代がかかってしまうのです。

こんな時は「タイマー設定」の方がお得になる

つけっぱなし運転が基本的にお得とはいえ、状況によってはタイマー設定の方が節約につながるケースも存在します。

タイマー設定が活躍するケースは、外気温とエアコンの設定温度の差が比較的小さい、春や秋のような過ごしやすい季節です。

春や秋などの時期は、エアコンを止めても室温が急激に変化しにくいため、短時間の運転で十分快適さが得られます。

また、最新の省エネ性能が高いエアコンは、起動時の消費電力が従来モデルより抑えられている傾向にあります。

そのため、短時間の利用であれば、タイマーで停止させる方が経済的になる可能性はあるでしょう。

自身の環境やエアコンの性能にあわせて、上手に使い分けることが大切です。

【電気代だけじゃない】つけっぱなしがもたらす睡眠の質へのメリット

エアコンをつけっぱなしにする利点は、電気代の節約のみにとどまりません。

最大のメリットは、朝まで快適な室温が維持されることによる睡眠の質の向上です。

夜中に暑さや寒さで目が覚めると、そのたびに深い睡眠が妨げられ、疲れが取れにくくなります。

人の体は、深い眠りに入ると体温が少し下がります。室温が一定に保たれていれば、自然な体温調節を妨げることなく、深く眠り続けることができるでしょう。

快適な睡眠環境は、翌日の仕事や家事のパフォーマンスを向上させるための重要な投資といえます。

【夏と冬】それぞれの季節での基本的な考え方

エアコンのつけっぱなし運転は、夏と冬、どちらの季節でも有効ですが、少し意識すべきポイントが異なります。

とくに夏の熱帯夜では、快適な睡眠のためのみでなく、命に関わる熱中症を予防する観点からも、つけっぱなしでの運転が強く推奨されます。

一方、冬の暖房として使用する場合は、電気代が夏よりも高くなる傾向があるため、加湿器を併用して乾燥を防いだり、断熱性を高める工夫をしたりすることが重要です。

しかし、どちらの季節においても、急激な温度変化を避け、室温を一定に保つというつけっぱなし運転の基本原則は変わりません。

【料金シミュレーション】寝る時のエアコン一晩の電気代はいくら？

寝る時はエアコンをつけっぱなしにする方が経済的ですが、具体的に一晩でいくらかかるのかという点が最も気になるところでしょう。

ここでは、一般的なエアコンの消費電力をもとに、夏の冷房と冬の暖房を8時間つけっぱなしにした場合の電気代をシミュレーションします。

自身の状況と照らしあわせながら、おおよその目安として参考にしてください。

冷房と暖房、8時間つけっぱなしの電気代を比較

電気代を計算するにあたり、前提となる条件を整理します。

電気料金の目安単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める31円/kWh（税込）を使用します。

また、エアコンの消費電力は、一般的な6畳用の機種を想定し、冷房時を0.5kW、暖房時を0.6kWとして計算します。

この条件で計算すると、夏の冷房を8時間使用した場合の電気代は0.5kW × 8時間 × 31円/kWhで約124円です。

一方、冬の暖房は0.6kW × 8時間 × 31円/kWhで約149円となり、冬の方がやや高くなることがわかります。

夏と冬の電気代比較（8時間つけっぱなし）

季節と用途	消費電力（目安）	8時間あたりの電気代（目安）
夏の冷房	0.5 kW	約124円
冬の暖房	0.6 kW	約149円

1か月（30日）つけっぱなしにした場合の電気代は、冷房で約3,720円、暖房で約4,470円が目安となります。

【実践編】つけっぱなしでも電気代を抑える！今日からできる7つの節約術

エアコンをつけっぱなしにする方が経済的と理解していても、やはり少しでも電気代は抑えたいものです。

ここでは、今日からすぐに実践できる、エアコンの電気代を賢く節約するための7つの具体的なテクニックを紹介します。

簡単な方法ばかりのため、ぜひ自身のエアコン設定を見直してみてください。

設定温度は「1℃」の工夫で大きく変わる

エアコンの電気代を節約するうえで、最も基本的かつ効果的な方法が設定温度の調整です。

原則として、冷房時は少し高めに、暖房時は少し低めに設定することで、消費電力を大きく抑えられます。

環境省が推奨している室温の目安は、夏で28℃、冬で20℃です。

具体的には、冷房時の設定温度を27℃から28℃に上げるのみで、年間で約820円もの電気代節約効果が期待できます。

暖房の場合は、設定温度を21℃から20℃に変更すると、年間で約1,430円の節約になります。

快適さを損なわない範囲で、エアコンの設定温度を意識してみてください。

風量は「自動運転」が最も効率的

電気代を気にするあまり、エアコンの風量を常に弱で運転している方も多いでしょう。

しかし弱運転は、かえって電気代を高くしている可能性があります。

弱運転では、部屋が設定温度になるまでに時間がかかる分、余計な電力を消費するケースも少なくありません。

最も効率的なのは自動運転モードです。

自動運転に設定しておけば、エアコンが室温を判断し、最初は強風で一気に設定温度まで近づけ、その後は微風で温度を維持するなど、常に最もよい風量に自動で調整してくれます。

無駄な電力消費をなくすためにも、風量はエアコンに任せましょう。

風向きを調整して体感温度をコントロール

エアコンの風を効率よく部屋全体に行き渡らせるためには、空気の性質を利用した風向きの調整が重要です。

冷たい空気は下に、暖かい空気は上に溜まりやすいという性質があります。

空気の性質を利用し、冷房を使う際は風向きを水平に設定し、上から下へ冷気が自然に降りてくるようにします。

反対に、暖房を使う際は風向きを下向きに設定し、足元から暖められた空気が部屋全体に広がるようにすると効率的です。

また、風が直接体に当たり続けると不快感や体調不良の原因にもなることから、快眠のためにも風向きの工夫は有効といえるでしょう。

「除湿（ドライ）」と「冷房」の上手な使い分け

夏の夜に寝苦しくなるのは、気温のみでなく湿度も原因の一つです。

日本の夏のように蒸し暑い日には、除湿（ドライ）機能を上手に活用すると、より快適に過ごせる場合があります。

除湿は空気中の水分を取り除くことで、体感温度を下げてくれる機能です。冷房と除湿のどちらを使うか迷った際は、湿度計を見て判断しましょう。

室温はそれほど高くないのにジメジメと感じる場合は、除湿運転が効果的です。

ただし、一部のエアコンに搭載されている再熱除湿という機能は、一度冷やした空気を温め直してから放出するため、電気代が高くなる傾向があるため注意しましょう。

扇風機やサーキュレーターの併用で節約効果を最大化

エアコンの節約術として、効果が高いのが扇風機やサーキュレーターの併用です。

これらの機器を使って部屋の空気を循環させることで、室内の温度ムラがなくなり、エアコンの設定温度を緩めても快適に過ごせるようになります。

たとえば、冷房時に天井に向けて風を送ると、上に溜まりがちな冷たい空気が部屋全体に行き渡ります。

人に直接風が当たることで体感温度も下がるため、エアコンの設定を1〜2℃変更しても十分に涼しく感じられるでしょう。

結果として、エアコンの消費電力を大幅に抑えることにつながり、高い節約効果が期待できます。

フィルターの定期的な掃除を習慣に

見落としがちですが、エアコンのフィルター掃除は電気代の節約に直結する重要なポイントです。

フィルターにホコリが詰まっていると、エアコンが空気を吸い込む力が弱まり、部屋を冷やしたり暖めたりする効率が著しく低下します。

効率が落ちた分、エアコンは余計なパワーを使って運転しようとするため、無駄な電気代がかかる仕組みです。

フィルターを月に1回か2回清掃した場合、目詰まりしているエアコンと比べて、年間で約860円の節約になるとされています。

掃除機でホコリを吸い取るのみでも効果はあるため、ぜひ習慣にしてみてください。

室外機の周辺環境を見直す

室内機のみでなく、室外機の環境もエアコンの効率に影響します。

室外機の役割は、室内の熱をファンを回して外に捨てることです。

そのため、室外機の周りに物を置いて空気の通り道を塞いだり、吹き出し口の前に障害物があったりすると、熱交換の効率が落ちます。

また、夏場に室外機が直射日光にさらされていると、本体が高温になり、熱をうまく放出できなくなります。

すだれなどで日陰を作るのみでも、運転効率の低下を防ぎ、節約につながるでしょう。

室外機の周りは常に整理整頓し、風通しをよくしておくことが大切です。

毎月の電気代が高いなら電力会社の契約見直しが最も効果的

ここまで、エアコンの電気代を抑えるためのさまざまな節約術を紹介してきました。

しかし、節約術を実践しても、電気代の大幅な削減には限界があるのも事実です。

根本的で効果の大きい節約をおこないたい方は、電力会社の契約プランそのものを見直しましょう。

ここからは、電力会社を見直すメリットや電気料金の仕組みについて解説します。

節約術を実践しても電気代の削減には限界がある

設定温度の調整やフィルター掃除は欠かせない節約術ですが、これらの努力による電気代の削減効果は、一般的に数パーセントから十数パーセント程度といわれています。

毎月の電気代が高いと感じる根本的な原因は、日々の使い方以上に、契約している電気料金プランの料金単価にあるのかもしれません。

電気代の大部分を占めるこの料金単価そのものを見直さない限り、いくら節約に励んでも、効果の実感には限界があります。

根本から電気代を安くしたいと考えるなら、契約プランの変更が最も効果的な手段といえるでしょう。

2016年の「電力自由化」で誰でも電力会社を選べる時代に

2016年にはじまった電力自由化により、私たちは電気の購入先を自由に選べるようになりました。

それまでは、居住地域によって契約できる電力会社は決められていましたが、今ではさまざまな事業者が新電力として電力販売に参入しています。

電力自由化により、各社が独自の料金プランやサービスを提供するようになり、消費者は自身の電気の使い方やライフスタイルに最も合った、お得な電力会社を比較検討して選べる時代になりました。

電気は生活に不可欠なインフラですが、今や携帯電話のプランを選ぶように、より自身に合ったものへ乗り換えることが可能なのです。

電気料金の仕組みと安くできる理由

毎月の電気料金は、いくつかの項目で構成されていますが、主に基本料金と、電気の使用量に応じて決まる電力量料金が大きな割合を占めます。

新電力の多くは、この基本料金や電力量料金の単価を、既存の大手電力会社よりも安く設定することで、お得な料金プランを実現しています。

新電力が電気を安く提供できる理由は、自社の発電所に加え、さまざまな方法で電気を調達したり、人件費や設備投資を抑えたりする経営努力をおこなっているからです。

そのため、電気の品質や安全性は全く変わらないまま、料金のみを安くすることが実現しています。

契約を見直すだけで生活を変えずに電気代を節約できる可能性あり

電力会社の契約を見直す最大のメリットは、エアコンの使い方を細かく気にしたり、我慢したりすることなく、毎月の支出を自動的に節約できる点にあります。

一度手続きを済ませれば、あとは今まで通りの生活を送るのみで、電気代が安くなるのです。

電力会社の切り替えは「何だか手続きが難しそう」「工事が必要で面倒なのでは」と感じる方もいるかもしれませんが、心配は必要ありません。

現在では、簡単な手続きで切り替えが完了するサービスも登場しています。

次の章では、その中でもとくにおすすめのサービスを紹介します。

電気代の不安をなくすならプラン内容そのままの「お得電力」がおすすめ

電気代は安くしたいものの、プランが複雑でわかりにくいうえ、手続きも面倒と感じる方におすすめできるサービスが「お得電力」です。

お得電力は、今契約中の大手電力会社の料金プランとサービス内容はそのままに、電気料金の削減が目指せるシンプルでわかりやすい新電力サービスです。

電気の品質や安心感は変わらないため、電力会社の切り替えがはじめての方でも、不安なく乗り換えられます。

理由1：今の安心感はそのままに電気代の基本料金と電力量料金が安くなる

お得電力最大の魅力は、今契約している大手電力会社のプラン内容を維持したまま、基本料金と電力量料金の両方が安くなる点です。

新しい料金体系を一から勉強する必要がなく、今のままで安くなるという安心感は、ほかの新電力にはない大きなメリットといえるでしょう。

家族の人数が増えたり、在宅時間が増えたりして電気の使用量が多くなるほど、そのお得感はさらに大きくなります。

自身の家庭でも、これまでの我慢が嘘のように、安心してエアコンを使用できるようになるかもしれません。

理由2：申し込みは最短5分で工事や立ち会いも原則不要

電力会社の切り替えと聞くと、面倒な手続きを想像する方も多いでしょう。

しかし、お得電力なら、その心配は一切不要です。

手元に電気の検針票さえあれば、スマートフォンやパソコンから最短5分で申し込みが完了します。

面倒な書類のやり取りはもちろん、切り替えに伴う工事や作業員の立ち会いも原則として必要ありません。

また、現在契約中の電力会社への解約連絡もお得電力が代行します。

簡単な情報を入力するのみで、あとは何もしなくても、ストレスフリーで電気代の節約をスタートできるのです。

理由3：運営会社は創業39年の実績があり信頼性が高い

新電力への切り替えで気になるのが、会社の信頼性ではないでしょうか。

万が一、契約した会社が倒産したらと不安に感じる方もいるでしょう。その点、お得電力は安心です。

運営会社である株式会社Qvouは、創業39年という長い歴史を持つ総合企業です。

電力事業のみでなく、太陽光発電事業や不動産事業など、多角的に安定した経営を続けています。

エネルギー事業に関する豊富な実績と専門性、そして盤石な経営基盤があるからこそ、お得電力は安定的で信頼性の高いサービスの提供が可能です。

寝る時のエアコンに関するQ&A

ここまで、寝る時のエアコン利用法と電気代の節約について解説してきました。

最後に、多くの方が抱く疑問について、Q&A形式で回答します。

つけっぱなしで寝ると体に悪い影響はありませんか？

つけっぱなしで寝ると、体がだるくなるという話を聞いたことがあるかもしれません。

しかし、これは設定温度が低すぎる、あるいは風が直接体に当たり続けていることが主な原因です。

設定温度を適切に保ち、風向きを調整すれば、健康への悪影響よりも、朝まで深く眠れることによるメリットの方が大きいと考えられます。

とくに冬の暖房使用時は、空気が乾燥しやすくなります。

喉の痛みや肌の乾燥を防ぐためにも、加湿器を併用して適切な湿度を保つようにしましょう。

冷房と暖房どちらの方が電気代は高いですか？

一般的には、夏の冷房よりも冬の暖房の方が、電気代は高くなる傾向があります。

なぜなら、エアコンが消費する電力量が、外気温と設定温度の差に大きく影響されるためです。

たとえば、夏に外気温35℃の部屋を28℃にする場合、温度差は7℃です。

一方、冬に外気温5℃の部屋を20℃にする場合、その差は15℃にもなります。

より大きな温度差を生み出す必要がある冬の暖房の方が、多くのエネルギーを必要とするため、電気代が高くなりやすいのです。

何時間以上の利用から「つけっぱなし」の方がお得になりますか？

建物の断熱性、エアコンの省エネ性能、その日の外気温など、さまざまな条件によって変わるため、何時間以上なら絶対にお得と一概にいうことはできません。

しかし、一般的な目安として、夜に就寝してから朝起きるまでの6〜8時間程度の連続した利用であれば、多くの場合でつけっぱなし運転の方が、こまめにオンオフするよりも電気代は安くなる可能性が高いといえるでしょう。

結局、寝る時のエアコン設定温度は何度がベストですか？

快適な睡眠を得るための理想的な室温は、一般的に夏は26℃から28℃、冬は18℃から20℃程度といわれています。

本記事でも節約の観点から室温の目安を紹介しましたが、これがすべての方にとってのベストというわけではありません。

最も大切なのは、自身が心地よく眠れると感じる温度を見つけることです。暑さや寒さの感じ方には個人差があります。

紹介した温度を目安にしつつ、パジャマや寝具の素材を工夫するなどして、ベストな快眠環境を整えてみてください。

まとめ：寝る時のエアコンはつけっぱなしでOK！

本記事では、寝る時のエアコンはつけっぱなしの方が電気代と睡眠の質の両面でメリットが大きいことを解説しました。

しかし根本的な電気代削減には、電力会社の契約プラン見直しが最も効果的です。

日々の節約術を実践しつつ、電気代の大部分を占める料金単価そのものを見直すことで、我慢せずに節約を続けられます。

とくに、今のプラン内容のまま料金が安くなるお得電力のようなサービスは、手軽にはじめられる有効な選択肢です。

今回の内容を参考に、自身の状況にあわせて最適な方法を検討し、快適で経済的な毎日を送りましょう。

＜参考＞
お得電力