パネルヒーターは、安全性が高く空気を汚さないクリーンな暖房器具として人気です。
しかし、購入を検討する際、電気代は本当に高いのか、つけっぱなしにするとどうなるのか、部屋は暖まるのか、といった不安を持つ方も少なくありません。
パネルヒーターは使い方や部屋の広さによって電気代が高くなるデメリットがありますが、その特性を理解すれば賢く活用できます。
本記事では、パネルヒーターの2大デメリット(電気代、暖房能力)の仕組みや、エアコンとの電気代比較を解説します。
さらに、デメリットを抑える選び方や節約術、電気代の根本的な解決策もわかります。
パネルヒーターの購入で後悔したくない方、今の電気代を安くしたい方は、ぜひ参考にしてください。
パネルヒーターの2大デメリットは「電気代の高さ」と「暖房能力の低さ」

パネルヒーターの購入を検討する際、電気代は本当に高いのか、部屋はしっかり暖まるのか、という2つの大きなデメリットを気にされる方も多いでしょう。
安全性や快適性といったメリットがある一方で、これらのデメリットがどの程度のものなのか、購入前に正しく理解しておくことが大切です。
本章では、まずこの2つのデメリットの仕組みと実態について詳しく解説します。
電気代は本当に高い?消費電力の仕組みと目安
パネルヒーターの電気代が高いといわれる主な原因として、消費電力が比較的大きい割に部屋全体を暖める力が弱く、長時間運転になりやすい点が挙げられます。
電気代は「消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力量料金単価(円/kWh)」の計算式で算出されます。
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が示す目安単価31円/kWh(税込)を例に、消費電力ごとの電気代目安を試算します。
| 消費電力 | 1時間あたり | 1日8時間使用 | 1か月(30日)24時間つけっぱなし |
|---|---|---|---|
| 500W(0.5kW) | 約15.5円 | 約124円 | 約11,160円 |
| 1000W(1.0kW) | 約31円 | 約248円 | 約22,320円 |
| 1200W(1.2kW) | 約37.2円 | 約297.6円 | 約26,784円 |
このように、とくに消費電力が大きいモデルをつけっぱなしで運転すると、1か月の電気代は高額になる可能性があります。
部屋全体が暖まらない?輻射熱と対流熱の仕組み
パネルヒーターが部屋全体が暖まらないと感じやすいのは、その主な暖房方式が「輻射熱(ふくしゃねつ)」だからです。
輻射熱とは、遠赤外線などによってモノや人の体を直接じんわりと暖める仕組みを指します。
太陽の光を浴びると体が暖かく感じるのと同じ原理です。
一方、エアコンは「対流熱」によって部屋の空気を温め、その空気を循環させることで部屋全体を暖めます。
輻射熱は空気を直接暖めるわけではないため、エアコンのようなスピーディーな部屋全体の暖房は苦手としています。
そのため、パネルヒーターはリビング全体のような広い空間のメイン暖房としてではなく、デスクの足元、脱衣所、トイレといった空間の局所暖房や、補助暖房としての使用に適しているでしょう。
【徹底比較】パネルヒーターとほかの暖房器具(エアコン・こたつ)の電気代

パネルヒーターのデメリットがわかったところで、次に気になるのは、ほかの暖房器具と比べた場合のコストパフォーマンスです。
本章では、代表的な暖房器具であるエアコンや、同じ局所暖房のこたつ、電気ストーブと電気代や性能を比較します。
それぞれの特徴を知り、自身のライフスタイルに合った使い分けを検討します。
エアコン(暖房)との電気代・暖房能力の違い
部屋全体を暖める場合、電気代はパネルヒーターよりもエアコン(ヒートポンプ式)の方が安くなる傾向があります。
エアコンは「ヒートポンプ」という技術を使い、空気中の熱を集めて効率よく大きな熱エネルギーを生み出すことができます。
少ない消費電力でパワフルに部屋全体を暖められるため、エネルギー効率が非常に高いのです。
資源エネルギー庁の「省エネポータルサイト」などの情報を見ても、暖房器具の中ではエアコン(ヒートポンプ式)の効率のよさが示されています。
| 項目 | パネルヒーター | エアコン(ヒートポンプ式) |
|---|---|---|
| 電気代(効率) | 高め | 安め |
| 暖房速度 | 遅い | 速い |
| 得意な広さ | 局所・狭い部屋 | 部屋全体 |
| メリット | 乾燥しにくい・無音 | 効率が高い・即暖性 |
即暖性や部屋全体を暖める能力、そして電気代の安さを重視する場合は、エアコンに軍配が上がるといえるでしょう。
こたつ・電気ストーブとの局所暖房比較
足元など局所的に暖める場合、パネルヒーターは「安全性」と「暖房範囲」のバランスが取れた選択肢です。
ほかの局所暖房器具には、異なる特徴があります。
こたつは消費電力が低く電気代は安い傾向にありますが、暖まる範囲がこたつ布団の内部のみと非常に限定的です。
一方、電気ストーブは即暖性が高い反面、本体が非常に熱くなるため火災ややけどのリスクに注意が必要です。
| 項目 | パネルヒーター | こたつ | 電気ストーブ |
|---|---|---|---|
| 電気代(1時間目安) | やや高め(約15円~) | 安い(約5円~) | 高め(約30円~) |
| 暖まる範囲 | 足元・周囲 | 内部のみ | 前方(局所) |
| 安全性 | 高い | 中(低温やけど注意) | 低い(火災リスク) |
| そのほかの特徴 | 乾燥しにくい・無音 | 頭は寒い | 即暖性・眩しい |
パネルヒーターは、こたつより広範囲の足元を、電気ストーブより安全に暖めたい場合に適した暖房器具といえます。
パネルヒーターのデメリットを抑える選び方と節約術

パネルヒーターのデメリットを理解したうえで、その電気代を少しでも抑えて賢く使いたいものです。
本章では、デメリットを最小限にするための選び方のポイントと、具体的な節約術を紹介します。
これらのポイントを実践することで、快適さと節約の両立を目指します。
まずは部屋の広さと用途に合ったモデルを選ぶ
節約の第一歩は、オーバースペックなモデルを選ばないことです。
リビング全体を暖めたいのに小型モデルを買う、反対に足元だけなのに1200Wの大型モデルを買う、といったミスマッチが電気代の無駄につながります。
使用場所(足元、脱衣所など)とおおよその広さ(〜〇畳用など)を明確にし、適切な消費電力(W数)の製品を選びます。
使い方①:つけっぱなしよりタイマー活用
パネルヒーターは部屋全体を効率よく暖めるタイプではないため、基本的にはつけっぱなしにすると電気代がかさみやすくなります。
局所暖房としての特性を活かし、人がいるときだけ運転するのが最も無駄のない使い方です。
多くのモデルに搭載されているタイマー機能(入/切)を活用し、必要な時間だけ運転するようにします。
また、温度調節機能(サーモスタット)が付いている場合は、設定温度を必要以上に上げすぎないことも節約につながります。
たとえば、就寝1時間前にタイマーで運転を開始し、就寝時にオフタイマーを設定するといった使い方がよいでしょう。

使い方②:電気代節約の鍵は設置場所にあった
パネルヒーターの効果を最大化し、電気代を節約するためには「設置場所」が非常に重要です。
最も効果的な場所は「窓際」です。
窓からは室内の暖かい空気よりも重い「冷気」が足元に流れ込む「コールドドラフト」の現象が発生します。
パネルヒーターを窓際に置くことで、この冷気の侵入をブロックする壁のような役割を果たし、部屋の温度低下を防止できます。
結果として、体感温度が上がり、必要以上に設定温度を上げずに済むため節約につながるでしょう。
もちろん、デスク下や足元など、輻射熱が直接当たる場所での使用も効率的です。
使い方③:エアコンとの併用で快適さと節約を両立
パネルヒーター単体で広い部屋を暖めようとしないことが、最大の節約術といえるでしょう。
無理にパネルヒーターだけで暖めようとすると、消費電力の大きい最大出力で長時間運転することになり、電気代が高騰します。
おすすめなのは、メイン暖房であるエアコンとの「併用」です。
エアコンの設定温度を少し(1〜2℃)下げ、パネルヒーターで寒さを感じやすい足元を補う「頭寒足熱」の状態を作ります。
この使い方により、体感温度は快適なまま保ちつつ、トータルの電気代を抑えられる可能性があります。
あわせてサーキュレーターで空気を循環させると、さらに効率がよくなります。
デメリットだけじゃない!購入前に知りたいパネルヒーターの隠れた魅力

ここまでデメリットや節約術を中心に解説してきましたが、パネルヒーターにはほかの暖房器具にはない独自の魅力があります。
とくに「安全性」や「快適性」は、多くの方がパネルヒーターを選ぶ決め手となります。
デメリットだけでなく、これらのメリットも知ったうえで、自身の家庭に合うかを総合的に判断しましょう。
子どもやペットがいる家庭でも安心な安全性
パネルヒーターの最大のメリットの一つは、その「安全性」の高さです。
まず、石油ファンヒーターのように火を使わないため、火事や一酸化炭素中毒といった重大な事故の心配がありません。
また、多くのモデルは表面温度が高温になりすぎないよう設計されているか、触れてもやけどしにくいフロッキー加工(植毛)や安全ガードが付いています。
好奇心旺盛で何でも触ろうとする小さな子どもや、近づきがちなペット(猫など)がいる家庭でも、安心して使用できる暖房器具といえるでしょう。
空気が汚れず乾燥しにくいクリーンな快適性
快適性の高さも、パネルヒーターの大きな魅力です。
まず、灯油などを燃焼させないため、室内の空気が汚れず、換気の手間も少なくて済みます。
もちろん、特有のニオイも発生しません。
さらに、エアコンのように温風を出さないため、室内の空気が乾燥しにくい点も大きなメリットです。
喉や肌が弱い方にとっては嬉しいポイントです。
風が出ないということは、床のホコリやハウスダスト、ペットの毛などを巻き上げる心配もないため、アレルギーが気になる方にも適しています。
動作音がほとんどない静音性も加わり、寝室や書斎での使用にも最適です。
パネルヒーターの電気代が気になるなら電力プランの見直しが根本解決に

節約術を実践しても、パネルヒーターやエアコンを使う冬の電気代は高くなりがちです。
その根本的な原因は、暖房器具の使い方だけでなく、契約している電気料金プランそのものにある可能性があります。
本章では、電気代を根本から見直す方法として、新電力への乗り換えについて解説します。
節約術を実践しても電気代が高い根本的な原因
冬の暖房費が高額になる根本的な原因の一つとして、契約中の電気料金プランが自身のライフスタイルに合っていない可能性が考えられます。
たとえば、多くの方が契約している大手電力会社の従来の「従量電灯プラン」は、電気を使えば使うほど電力量料金の単価が高くなる「3段階料金」を採用していることが一般的です。
| 段階 | 1kWhあたりの電力量料金単価(目安) |
|---|---|
| 第1段階(~120kWh) | 低めの単価 |
| 第2段階(120kWh~300kWh) | 中間の単価 |
| 第3段階(300kWh~) | 高めの単価 |
パネルヒーターやエアコンを多く使う冬は、この最も単価の高い第3段階の電気使用量が跳ね上がるため、電気代が急激に高くなってしまうのです。
新電力への乗り換えで電気代の基本料金や単価を抑える
このような電気代の悩みを根本から解決する方法として、「新電力」への乗り換えが有効な選択肢です。
2016年の電力自由化以降、多くの「新電力」と呼ばれる会社が電力小売事業に参入し、大手電力会社よりもお得な料金プランを提供しています。
新電力に乗り換えることで、電気代の基本料金や、電力量料金(単価)自体を安く抑えられる可能性があります。
新電力に切り替えると電気が不安定になるのでは、と不安に思う方もいるかもしれません。しかし、電気は従来と同じ送配電網を使って届けられるため、電気の品質や安定供給、停電のリスクなどは一切変わりません。
安心して乗り換えを検討できます。
パネルヒーターの利用者に「お得電力」をおすすめする理由
数ある新電力の中でも、パネルヒーターなど暖房器具の電気代が気になる方に、とくにおすすめしたいのが「お得電力」です。
その理由は、シンプルでわかりやすい料金体系と、運営会社の信頼性にあります。
「お得電力」をおすすめする3つの理由
- 大手電力会社より常に約3%安いシンプルな料金プラン
- 電気を使うほどお得になる仕組み
- 創業40年の運営会社による安心感
なぜ「お得電力」がパネルヒーター利用者に適しているのか、その特徴を詳しく解説します。
大手電力会社より常に約3%安いシンプルな料金プラン
「お得電力」の最大の魅力は、そのシンプルでわかりやすい料金体系です。
「お得電力」は、各エリアの大手電力会社が提供する「従量電灯プラン」と比較して、基本料金と電力量料金(単価)がどちらも約3%安く設定されています。
複雑な時間帯の条件や、特定のサービスとのセット割などもありません。
ただ乗り換えるだけで、今までの電気の使い方を変えなくても電気代が安くなります。
たとえば、北海道エリアの4〜6人世帯の場合、年間で約9,873円の削減額が試算されています。
このように、具体的なメリットがわかりやすい点もおすすめのポイントです。
電気を使うほどお得に!暖房を多く使う冬こそメリット大
「お得電力」は、電気の使用量(kWh)が多い家庭ほど、電気代の削減メリットが大きくなります。
料金単価そのものが大手電力会社より安いため、使った電力量に比例して、大手電力会社との料金差額(=削減額)も大きくなる仕組みです。
実際に公式サイトの試算データを見ても、1人世帯より2〜3人世帯、それよりも4〜6人世帯と、電気使用量が多い世帯ほど年間の削減額が大きくなります。
パネルヒーターやエアコンなどの暖房器具を多用し、電気代が高額になりがちな冬の時期こそ、「お得電力」への乗り換えメリットを最も大きく実感できるでしょう。
運営は創業40年の株式会社Qvouだから安心
新電力への乗り換えを検討する際、その会社は信頼できるのか、という点は非常に重要です。
その点、「お得電力」は安心して契約できる体制が整っています。
「お得電力」を運営する株式会社Qvouは、2025年時点で創業40年の歴史を持つ総合企業です。
太陽光発電投資や土地買取、生命保険代理店事業など多角的な事業で安定した経営基盤を築いており、累計販売本数1億本を突破した人気商品「のむシリカ」の販売元でもあります。
長年の実績に裏打ちされた信頼性があるため、安心して電気を任せられます。
申し込みもWebで完結し、切り替えに伴う工事や費用も原則かからないため、手軽に乗り換えが可能です。
パネルヒーターのデメリットに関するよくある質問

最後に、パネルヒーターのデメリットに関して、多くの方が疑問に思う点について回答します。
パネルヒーターに関するよくある質問
- 遠赤外線タイプと普通のタイプでデメリットは違いますか?
- 温水パネルヒーター(セントラルヒーティング)のデメリットは?
- 賃貸住宅でもパネルヒーターは使えますか?
- オール電化住宅で使うと電気代はさらに高くなりますか?
これらの疑問を解消し、自身の環境に合うかを最終判断します。
遠赤外線タイプと普通のタイプでデメリットは違いますか?
現在、市場で「パネルヒーター」として販売されている電気式の製品の多くは、遠赤外線による輻射熱を利用するタイプです。
そのため、本記事で解説してきた「電気代が高めになりやすい」「部屋全体をスピーディーに暖めるのは苦手」といったデメリットは、基本的に共通していると考えてよいでしょう。
どのタイプを選ぶかよりも、製品ごとの消費電力(W数)が自身の使いたい部屋の広さや用途(局所暖房か補助暖房か)に適しているかを検討しましょう。また、タイマーや安全機能が充実しているか、といった点のチェックが重要です。
温水パネルヒーター(セントラルヒーティング)のデメリットは?
温水パネルヒーター(主にセントラルヒーティング)は、電気式のパネルヒーターとは根本的に仕組みが異なります。
電気式が本体内部のヒーターで発熱するのに対し、温水式は灯油やガス、電気などで沸かした「温水」をパネル内部に循環させて放熱します。
そのため、デメリットも大きく異なります。
最大のデメリットは、導入時の「初期費用」です。
ボイラーの設置や各部屋への配管工事が必要なため、数十万円以上の高額な費用がかかります。
また、使用時には電気代ではなくボイラーを動かすための「燃料費(ガス代、灯油代など)」がかかり、定期的なボイラーのメンテナンスコストも必要になる点がデメリットといえます。
賃貸住宅でもパネルヒーターは使えますか?
コンセントに挿して使用する「電気式」のパネルヒーターであれば、賃貸住宅でも問題なく使用できます。
電気式パネルヒーターは、エアコンの室外機のような設置工事や、ファンヒーターのような換気も不要です。
一方で、先ほど解説した「温水パネルヒーター(セントラルヒーティング)」は、壁や床下に配管を通す大規模な工事が必要となるため、賃貸住宅への導入は現実的ではありません。
ただし、電気式でも消費電力が1000Wを超えるような大型モデルを使用する場合、賃貸住宅で契約しているアンペア(A)容量が低いとブレーカーが落ちやすくなる可能性があります。
事前に自身の契約アンペア数を確認しておくと安心です。
オール電化住宅で使うと電気代はさらに高くなりますか?
オール電化プランの多くは、夜間電力は安い反面、日中の電力単価が高めに設定されています。
そのため、在宅ワークなどで日中にパネルヒーターをつけっぱなしにすると、従来のプランより電気代が割高になる可能性があり注意が必要です。
自身のプランの時間帯別単価を確認します。
まとめ

本記事では、パネルヒーターの主なデメリットである「電気代の高さ」と「暖房能力の低さ」について、その仕組みやエアコンとの比較、具体的な節約術を解説しました。
パネルヒーターは部屋全体を暖める機能が弱く、使い方を誤ると電気代が高くなるデメリットがあります。
しかし、選び方や設置場所の工夫、タイマー活用、エアコンとの併用でデメリットは軽減できます。
さらに根本的な対策として、電気代の負担は「電力プランの見直し」で大きく変わる可能性があります。
暖房器具の電気代については、電力コストの専門家である当サイトの情報を参考に、自身の使い方に最適な判断をしてください。
電気料金プランの見直しに興味がある方は、詳細な削減額について「お得電力」の公式サイトでチェックしてみましょう。
<参考>
お得電力





