近年、電気代の高騰が家計を圧迫しており、とくに4人家族など世帯人数の多い家庭には深刻な問題です。
「我が家の電気代は平均と比べてどうなのか」「ほかの家庭はどのように節約しているのか」など、疑問や不安を抱いている方も多いでしょう。
本記事では、4人家族の電気代の平均額を紹介したうえで、電気料金が高い原因や節約方法について詳しく解説します。
毎月の電気代で頭を悩ませている方、節約したいものの何からはじめればよいかわからない方は、ぜひ参考にしてみてください。
4人家族の電気代の平均は?月2万円~3万円は高い?

4人家族の場合、毎月2~3万円程度の電気代が発生している家庭も少なくないでしょう。
電気代は、家族構成や季節、住んでいる地域により大きく変動します。
また、戸建てと集合住宅でも電気の使用量に違いがあるため、月2~3万円が高いとは一概にいえません。
自身の家庭の電気代が高いのか気になる方は、まず平均額をチェックしましょう。
ここからは、4人家族の電気代の平均を紹介します。
年別
過去6年における、4人家族の電気代の平均月額は次のとおりです。
年度 | 平均月額 |
---|---|
2019年 | 11,761円 |
2020年 | 11,788円 |
2021年 | 11,376円 |
2022年 | 13,948円 |
2023年 | 13,532円 |
2024年 | 12,805円 |
2019年〜2021年の4人家族の平均電気代は、1万1,000円台で比較的安定していました。
しかし2022年から電気代は急激に上昇し、平均月額が1万3,000円台後半に達しています。
2024年は1万2,000円台に落ち着いたものの、2019年〜2021年の安定期に比べると、電気代は高止まりしているといえます。
月別
2024年における、4人家族の月別にかかる電気代の平均額は次のとおりです。
年月 | 平均額 |
---|---|
2024年1月 | 13,492円 |
2024年2月 | 14,074円 |
2024年3月 | 14,708円 |
2024年4月 | 13,473円 |
2024年5月 | 11,868円 |
2024年6月 | 10,210円 |
2024年7月 | 10,949円 |
2024年8月 | 13,047円 |
2024年9月 | 14,996円 |
2024年10月 | 13,700円 |
2024年11月 | 11,334円 |
2024年12月 | 11,814円 |
世帯人数に限らず、毎月の電気代は季節により大きく変動します。
一般的に夏季や冬季は、冷暖房器具の使用頻度が多くなるため、春や秋よりも電気代が高くなることが多いです。
また、冬は日照時間が短い分、照明の使用時間が増える点も電気代が高くなる要因の一つといえます。
地域別
2024年における、2人以上の世帯の地域別平均電気代は次のとおりです。
地域 | 平均月額(2024年) |
---|---|
北海道 | 12,328円 |
東北 | 14,258円 |
関東 | 11,907円 |
北陸 | 15,582円 |
東海 | 11,832円 |
近畿 | 10,845円 |
中国 | 13,763円 |
四国 | 12,557円 |
九州 | 10,316円 |
沖縄 | 12,152円 |
地域別の平均電気代を見ると、北海道や東北、北陸、中国、四国、沖縄が比較的高い結果となりました。
寒い地域や暑い地域は、冷暖房で多くの電力を消費する分、電気代が高くなる傾向にあります。
また、家の面積の広さや、各電力会社の料金設定の違いなども、地域ごとに電気代に差が出る理由として考えられます。
オール電化とガス併用を比較
次の表は、オール電化住宅と、電気とガスを併用している住宅の電気代を比較したものです。
世帯人数 | オール電化住宅 | 電気とガス併用住宅 |
---|---|---|
1人世帯 | 10,777円/月 | 10,805円/月 |
2人世帯 | 13,406円/月 | 17,377円/月 |
3人世帯 | 14,835円/月 | 19,716円/月 |
4人世帯 | 16,533円/月 | 1,9613円/月 |
オール電化住宅とは、調理や給湯、冷暖房などの熱源をすべて電気でまかなう住宅のことです。ガスを使用しないため、光熱費は電気代のみかかります。
一方、ガス併用住宅は、電気代とガス代、その他の光熱費もかかることが特徴です。
それぞれの平均電気代を比較した結果、1人暮らしの場合は大きな変化が見られませんでした。
しかし、2人暮らし以上になると、ガス併用住宅よりもオール電化住宅の方が毎月の光熱費が安くなる傾向にあります。

戸建てと集合住宅を比較
戸建て住宅と集合住宅(マンション)の平均電気代は次のとおりです。
世帯人数 | 戸建て住宅 | 集合住宅 |
---|---|---|
1人世帯 | 5,827円/月 | 5,094円/月 |
2人世帯 | 9,670円/月 | 6,998円/月 |
3人世帯 | 11,228円/月 | 9,130円/月 |
4人世帯 | 12,644円/月 | 9,233円/月 |
世帯人数に限らず、集合住宅よりも戸建ての方が電気代は高い傾向にあります。
戸建て住宅は集合住宅よりも面積が広く部屋数も多い傾向にあるため、照明やエアコンの使用量が多くなりがちです。
また、戸建て住宅は庭や駐車場などの照明、屋外コンセントの使用など、集合住宅にはない電気の使用も考えられます。
必然的に多くの電力が必要になることから、電気代が高くなりやすいといえるでしょう。
電気代の計算方法

一般的に、電気代は次の要素で構成されています。
- 基本料金:毎月固定で支払う料金
- 電力量料金:電力の使用量に応じて計算される料金
- 燃料費調整額:燃料価格の変動に応じて毎月調整される金額
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金: 再生可能エネルギーの普及を促進するための費用
月々の電気料金は、毎月固定で支払う基本料金と、使用電力量に応じて計算する電力量料金の合計に、再生可能エネルギー発電促進賦課金を加えたものです。
電気代の計算は少し複雑に感じるかもしれませんが、基本的な要素を理解すれば、自身でも概算が出せます。
ここからは、電気代の計算方法について詳しく解説します。
基本料金
基本料金とは、電気の使用量にかかわらず、毎月固定で支払う料金です。
なお、基本料金には「アンペア制」と「最低料金制」の2つの種類があります。
- アンペア制:契約アンペア数により基本料金が決まる方式
- 最低料金制:あらかじめ定められた最低料金を支払う方式
アンペア制は、契約しているアンペア数により基本料金が決まる方式です。契約アンペア数が大きいほど、基本料金も高くなります。
最低料金制は従量料金制とも呼ばれ、1契約ごとに最低料金が定められています。
実際の使用電力量が最低料金を下回る場合でも、最低料金は必ず請求されます。最低料金で定められた使用電力量を超えると、電力量料金として加算される仕組みです。
電力量料金
電力量料金とは、電気使用量に応じて発生する料金と、燃料費調整額を合わせた料金のことです。
電力量料金は、次のような計算式で求められます。
電力量料金=1kWhあたりの料金単価×使用電力量±燃料費調整額
燃料費調整額は、燃料価格の変動に応じて毎月調整される金額です。
価格変動に応じて上下するため、燃料価格が高騰すれば電気料金にプラスされ、下落すれば電気料金から差し引かれます。
また電気料金の一部として、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)も徴収されます。
再エネ賦課金は、風力発電や地熱発電、水力発電などの再生可能エネルギーの普及を促進するための費用です。
単価は毎年国が決めており、電力会社ごとに変わるわけではありません。

4人家族で電気代が高い原因

一般的に4人家族は、単身世帯や二人暮らしの家庭と比べると電気代が高くなりがちです。
しかし、電気代が平均額を大幅に上回る場合は、以下4つの原因が考えられます。
- 部屋数が多い
- 家族それぞれの生活リズム
- 契約アンペア数やプランが不適切
- 家にいる時間が長い
ここからは、4人家族で電気代が高い原因について詳しく解説します。
部屋数が多い
家族の人数が多いと、家の面積が広くなる傾向にあり、自然と部屋数も多くなります。
部屋数が多いと、部屋ごとに照明器具や冷暖房器具が必要になるため、電気代が高くなりがちです。
たとえば、家族それぞれが自室で照明をつけたり、個別のエアコンを同時に稼働させたりなどの状況が考えられます。
リビングをはじめとする共有スペースのみでなく、各個室でも電力が消費されるため、全体の消費電力は大幅に増加するでしょう。
また部屋数が多い家では、各部屋にテレビやゲーム機、パソコンなどの家電製品を設置する機会が増えることも、電気代高騰の要因といえます。
それぞれの生活スタイルがある
4人家族で電気代が高くなる原因の一つに、生活スタイルの違いも考えられるでしょう。
家族一人一人の生活リズムや活動内容が異なることで、電気の使用パターンが複雑化し、結果として電気代が高くなっているかもしれません。
たとえば、家族の中に起床時間が早い方と夜遅くまで起きている方がいる場合、常に誰かが電気を使用している状態になります。
照明や家電製品を長い時間使うことになるため、家全体の消費電力が跳ね上がり、電気代の高騰を招きかねません。
さらに、入浴する時間帯が家族によって大きく異なる場合は、電気代とガス代の両方に悪影響を及ぼします。
追い焚きの回数が増えることで、給湯器の稼働時間が増加し、ガス代はもちろん電気代も高くなるでしょう。
契約アンペア数・プランが適切でない
4人家族で電気代が高すぎると感じる場合、契約アンペア数やプランが適切ではない可能性があります。
契約アンペア数とは、使用できる電気の最大容量です。
アンペア数が大きいと、同時に複数の家電を使用しても、ブレーカーは落ちにくくなります。
しかし、契約しているアンペア数が大きすぎると、基本料金が高くなる点に注意が必要です。
実際に使用している電気量に対して電気代が高いと感じる場合は、契約アンペア数が適切であるか確認してみてください。
またアンペア数に加えて、電気料金プランも見直すことをおすすめします。
家族のライフスタイルに合わないプランの場合、電気代が高くなる可能性があります。
生活リズムや電気の使用状況を考慮したうえで、プラン選びをおこなうことが大切です。
家にいる時間が長い
家にいる時間が長いことも、電気代が高くなる原因の一つです。
在宅時間が長ければ、照明の使用時間も増えるため、電気代が高くなることが予想されます。
また家にいる時間が長いと、夏は冷房、冬は暖房器具の使用時間が増えます。
とくに近年は猛暑や厳冬の影響により、冷暖房の使用頻度が多くなるほか、設定温度が低すぎたり高すぎたりすることもあり、家にいる時間が長いほど電気代が高くなるのは当然といえるでしょう。
4人家族で電気代を節約する方法

電気料金が高くなりがちな4人家族でも、日々の生活の中で意識的に取り組むことで、電気代の節約が可能です。
電気代の効果的な節約方法として、次の4つが挙げられます。
- なるべく同じ部屋で過ごす
- 家電の使い方を見直す
- 省エネ家電に買い替える
- 電力会社を変更する
ここからは、それぞれの節約方法について詳しく解説します。
家族全員で協力して、無理のない範囲で節約に取り組みましょう。
なるべく同じ部屋で過ごす
家族それぞれが別々の部屋にいると、各部屋で照明器具や冷暖房器具を使用する必要があるため、電気代が高くなります。
4人家族で電気代を節約するためには、なるべく同じ部屋で過ごすとよいでしょう。
同じ部屋で過ごせば、個々の部屋で照明をつける必要がなくなり、使用する照明の数を減らせます。
さらに、エアコンや暖房器具の使用範囲を限定できるため、無駄な電力消費が抑えられ、結果的に電気代の節約になるでしょう。
また、同じ部屋で過ごすことは家族のコミュニケーションを促進し、絆を深める効果も期待できます。
家族全員で節約意識を共有し、協力して節電に取り組みましょう。
家電の使い方を見直す
4人家族で電気代を節約するためには、家電の使い方を見直すことも重要なポイントです。
家電は使い方次第で、電気代に差がつきます。
具体的な節電方法の例は次のとおりです。
エアコン | ・設定温度の見直し ・フィルターの清掃 ・サーキュレーターや扇風機の併用 |
---|---|
冷蔵庫 | ・開閉回数を減らす ・食品を詰め込みすぎない ・壁との設置間隔を空ける |
照明 | ・LED照明への交換 ・照明器具の清掃 |
テレビ | ・画面の明るさ調整 ・省エネモードの活用 |
洗濯機や乾燥機 | ・まとめ洗い ・乾燥機の使用頻度を減らす ・フィルターの清掃 |
家電の使い方を見直し、積極的に節電に取り組みましょう。
省エネ家電に買い替える
電気代を節約するうえで、省エネ家電への買い替えは長期的に見て効果的な手段です。
電化製品の省エネ機能は日々進化しており、従来の家電に比べて消費電力が大幅に削減されています。
初期費用はかかるものの、最新型の家電製品に買い替えることで、毎月の電気代を大幅に削減できる可能性があります。
10年以上使用している古い家電は、節電のためにも買い替えを検討しましょう。
また、自治体の中には家電の購入に対して補助金制度を実施しているところもあります。
省エネ家電への買い替えを検討中の方は、自身が住んでいる自治体に補助金制度がないか、一度チェックしてみてください。
電力会社を変更する
現在契約している電力会社を変更すれば、節電につながるケースもあります。
2016年の電力自由化以降、消費者は電力会社や料金プランを自由に選択できるようになりました。
多くの新電力会社が、従来の電力会社よりも割安な料金プランを提供しています。
現在契約しているプランを見直し、家族構成やライフスタイルに適した電力会社を選ぶことで、電気代を大幅に削減できる可能性があります。
電力会社や料金プランの見直しは節電効果が大きいため、毎月の電気代で悩んでいる方は、一度検討してみるとよいでしょう。
4人家族におすすめの新電力会社3選

4人家族で電気代を節約する方法として、電力会社の変更は有効な手段の一つです。
電力会社や料金プランを見直すことで、電気代を大幅に節約できる可能性もあります。
4人家族で電力会社の切り替えを検討している方には、次の3社がおすすめです。
- お得電力
- 市場電力
- のむシリカ電力
ここからは、それぞれの電力会社の特徴や魅力について詳しく解説します。
お得電力
お得電力は、地域に特化したプランや料金設定が魅力の新電力サービスです。
小規模設備での運営により、管理費や人件費などのコストが抑えられ、各地域の大手電力会社よりも安い料金で提供しています。
また、各地域の大手電力会社と同等のプランを提供していることも特徴です。
お得電力に乗り換えれば、現在契約中のプランの内容を変えることなく、電気代を節約できる可能性があります。
さらに契約中の電力会社への連絡や工事、電気機器交換などの手続きは、原則として自身でおこなう必要はありません。
大手電力会社と契約中で毎月の電気代に悩まされている方、切り替えの手続きが面倒に感じる方は、お得電力がおすすめです。
市場電力
市場電力は、市場連動型を採用している新電力サービスです。
電気代は市場価格に応じて変動するため、電気の使い方を工夫すれば、賢く毎月の電気代を節約できる可能性があります。
また市場電力は、サービス料が低い水準に設定されていることも特徴です。
サービス料は基本料金や電力量料金に上乗せされるものであり、高ければ高いほど毎月の電気代の負担も大きくなります。
市場電力に切り替えれば、サービス料が大幅に抑えられる分、電気代の削減効果を実感しやすいでしょう。
市場電力は、家族全員で積極的に節電に取り組みたい方や、毎月の電気代の負担を少しでも減らしたいと考えている方におすすめです。
のむシリカ電力
のむシリカ電力は、霧島天然水「のむシリカ」がもらえる新電力サービスです。
のむシリカ電力に申し込むと、初回契約時に水(500ml 24本入)が1箱プレゼントされます。
更新時にも電気代に応じてプレゼントされるため、家族全員で毎日飲むことで健康維持につながるでしょう。
また、のむシリカ電力は各地域の大手電力会社よりも料金が安く設定されています。
電気代と水の購入費用をまとめて節約したい方、毎日飲む水にこだわりたい方などは、のむシリカ電力を検討してみるとよいでしょう。
4人家族の電気代に関するよくある質問

最後に、4人家族の電気代に関するよくある質問を3つ紹介します。
電気代や水道光熱費に関して疑問がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
夏や冬の電気料金が高い理由は?
夏や冬の電気代が高い理由は、エアコン(冷暖房)の使用頻度が増えるためです。
エアコンは、ほかの家電製品と比べて消費電力が大きいことから、使用頻度の増加は電気料金に大きく影響します。
また、冬は夏よりも外気温と設定温度の差が大きく、より多くの電力を消費するため、電気代の高騰を招きやすい点に注意が必要です。
水道光熱費の平均は?
2024年における、4人家族の水道光熱費の平均額は次のとおりです。
平均額(4人家族) | |
---|---|
電気代 | 12,805円 |
ガス代 | 5,015円 |
水道代 | 6,026円 |
ほかの光熱費 | 747円 |
合計 | 24,593円 |
水道光熱費の中で、最も高くなりやすいのは電気代です。
そのため、電力会社や料金プランの見直しをおこない、電気代の削減を図ることで、効率的に家計全体の節約に取り組めるでしょう。
ガス代を節約する方法は?
ガス代を節約する方法として、次のようなものが挙げられます。
- 火力の調整
- 余熱の活用
- まとめ調理や作り置き
- 追い炊きの回数を減らす
料理の際は火力を調整し、鍋底から炎がはみ出ないように意識しましょう。鍋底から炎がはみ出ていると、無駄なガスを使用することになります。
また積極的に作り置きをすれば、毎日の調理時間が減り、ガス代を効果的に節約できるでしょう。
少しでもガス代を節約したい方は、ぜひ実践してみてください。
まとめ

電気代は、家族構成や生活リズム、季節、住んでいる地域により大きく変動します。
とくに4人家族は、単身世帯や二人暮らしの家庭と比べると電気代が高くなりがちです。
家計の負担を少しでも軽減したい場合は、日々の生活の中で意識的に節電に取り組みましょう。
また、電気代を節約する方法として、電力会社を見直すことも有効な手段の一つです。
たとえば、大手電力会社から「お得電力」に切り替えれば、現在と同等のプランで電気代を節約できる可能性があります。
4人家族で電力会社の切り替えを検討している方は、本記事で紹介した3社の中から選んでみてください。